診断2次利用1次利用15図2廃棄バッテリ回収新しいBMS技術を開発 ~LiBを高速に診断して、各グレード(リサイクル/リユース)に分配~リユース天然資源リサイクルxEV採掘と加工パック化バッテリ構造策が進められていることから、EV市場は1~2年の前倒しで急速に動いており、今後も大きく拡大することが見込まれています。そこで求められているのが、さまざまなグレードのEVに搭載される大小あらゆる容量、種類の電池に対応できる柔軟性です。当社の第3世代の製品は、そのニーズに対応するコンセプトで量産しました。市場が急速に変化し、各国のローカル規制もあるなかで、市場のニーズがどのように変化するのかを見極め、その変化に対応できることを見据えて現在、第4世代の製品開発を進めています」 そしてもうひとつ、同社で取り組みを進めているのが、循環型社会に向けてLiBの再利用を加速するエコシステムの確立である。 「近い将来、現役を終えたEVが増加してくることが予想されます。その時注目されるのが、搭載されていた電池の扱いです。EVの電池の性能はとても優れていることから、他のアプリケーションで再利用できる可能性が大いにあります。そこで重要になってくるのが、EVから回収した電池の劣化状態を正確に診断することです。回収した電池の状態が正確に分かれば、他のアプリケーションにリユースできるのか、廃棄するのかという判断が正確に行えます」 しかしながら現在、この診断にはEIS(電気化学インピーダンス分析)技術を採用した大型の専用測定器が必要なため、簡単に実施できないことが課題になっている。そこで同社は、この課題解決に着手。そして、交流インピーダンス測定を実行する新しいバッテリーマネージメント(BMS)技術を採用したLiB診断システムを、半導体チップで実現したのである。 「当社BMS技術を利用すれば、回収した電池をわざわざ検査室まで運ばなくても、その場で診断を行い、次の用途がスピーディに決定できます。このチップ開発を発表すると、EV電池の再利用に関心を持つ企業から連絡があり、目標とするエコシステムの確立に向けた取り組みを協力して進めることになりました。LiBの活用が広がるなかで、電池の状態をモニタリングするだけでなく、電池利用の可能性を拡大し、社会に貢献することが当社の役割だと考えています」 今後も引き続きLiBのエコシステム確立に向けた呼びかけを広く行い、共感する多くのプレイヤーとの取り組みを推進していく計画だ。
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