前回に引き続き、「Zuken Innovation World 2018」において発表しました製品ロードマップについてご紹介します。今回ピックアップするのは、CR-8000 System Planner/Design Gateway ロードマップです。
まずは、System Planner 開発方針やリリース計画についてご紹介します。

 

System Planner開発方針

System Plannerは、CR-8000の中でもより上流の工程においてシステム全体を俯瞰し、仕様、性能、コストなどを論理/物理/空間の様々な視点で、最適化検討・設計できる環境として開発しています。その実現のために論理視点のLogical Visionary 、物理視点のPhysical Visionary、空間視点のGeometrical Visionary の各ツールを提供しています。
 
Logical Visionary は、システム全体を「機能」単位で論理設計することができ、Design Gateway の回路ブロックと連携したエレキモジュラーデザインのフロントエンド環境になっています。また、コネクタやワイヤハーネスを含む基板間の接続設計も行うことができます。
Physical Visionary は、回路設計者の意図を確実に基板設計へとつなぐフロアプランニング 環境として、新規の基板外形からの配置検討はもちろん、過去の設計データを活用した流用設計にも対応しています。ここで検討した配置情報や指示は、基板設計環境Design Force にも引き継ぐことができます。
Geometrical Visionary は、メカの3D形状や解析を活用しながら配置を検討することができるスペースプランニング環境として、CATIA V5、Creo、STEP、SATなどのメカCADに対応しています。また、熱解析ツールと連携し、熱やEMCを考慮した配置検討を行うこともできます。

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System Planner今後に向けた取り組み

System Planner は、V字開発フロー上では機能設計からシステム設計にかかる部分を担っていますが、今後は機能要件などより上流の概念を導入し、真のシステムレベル構想設計環境を目指し、次の2点に注力します。
まず、エレキモジュラーデザインのフロントエンドツールとしての機能強化です。
エレキモジュラーデザインのフロントエンドツールとして、粒度の異なる機能ブロックの階層化によるシステム全体の論理設計や上流における各種系統設計(電源、クロック、リセットなど)への対応、詳細回路設計システムとしてのDesign Gateway との連携を強化します。例えば、詳細回路設計段階で発生した設計変更をSystem Planner に取り込み、システム全体の視点から評価できるような連携を目指します。

 
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そして、システム全体の構想設計に対応するための上流へのシフトです。
MBD(モデルベース設計)やMBSE(モデルベースシステムズエンジニアリング)に対応し、機能ブロックに対して動作モデルや数式を割り付け、より簡易で高速なシミュレーションや分析をできるようにします。また製品コンセプトに基づく要件から機能、詳細回路への一連のトレーサビリティを確保しながら要件分析ができる環境を目指します。

 
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【System Planner 2018.0 】について

2018年3月にリリースした2018.0では、Logical Visionary において、機能ブロック図間における接続編集の操作性を向上させています。機能ブロックに割り当てたDesign Gateway 回路図の情報を呼び出し、その中から端子名を元にペアリングを行い、ブロック間接続を行うことができるようになりました。

 
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Physical Visionary では、Logical Visionary がなくてもダイレクトに回路図をインポートし、フロアプランやレイアウト検討が行えるよう機能強化しています。また、Design Force の基板データからフロアプランを行う際に、フットプリントの高さ制限領域の高さに応じた色分け表示により、高さを意識した配置検討の利便性を向上しています。

 
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【System Planner 2019.0】について

2019年3月にリリースする2019.0では、Logical Visionary でモジュラーデザインに対するソリューションをさらに強化し、機能ブロック間結線の機能拡充と機能ブロックに割り当てた回路ブロックの部品属性編集の機能を提供します。

 
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さらに、電源系統設計に対応し、Logical Visionary で作成したブロック図から電源系統図の雛形を自動生成し、電源供給ブロックの入力や負荷側のブロックに電流などの情報を設定できるようになります。
系統ごとの動作状態を考慮した消費電力や消費電流の自動計算や結果表示もできるようになります。

 
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2019.0のPhysical Visionary では、2D/3Dの実装検討における機能を拡張し、フロアプラン設計での機能強化を図ります。より精度の高いフロアプランを行うために、基板への実装方法によって異なるフットプリント形状を指定できるようにする予定です。また、Geometrical Visionary では 3Dデータインポートの拡張とし、STEPとCreoデータの対応バージョンの追加を予定しています。

 
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System Planner 2020年以降について

2020以降も、モジュラーデザインのソリューション強化を継続します。
ブロック設計における設計品質向上を目的に、出力電圧と入力電圧のアンマッチなどブロック間の接続チェックを元に、ブロックの選定ミスを顕在化できるようなチェック機能を検討しています。系統図作成支援の強化として、電源系統図以外にクロック系やリセット系にも対応していきます。またLogical Visionary からDesign Gateway へエクスポートした回路図データの編集において、編集内容が連携できるようにする予定です。
また、ブロック設計における製品バリエーション展開への対応として、部品の実装/未実装のような機能ブロックの使用/未使用の切り替えの考え方も取り込んでいきたいと考えています。

 
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