めざせ、シンの回路設計者!

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その流用設計、本当に大丈夫?


最近のハードウェア・エンジニアは、新しい製品を開発する場合、過去の類似製品の設計データから流用できそうな回路データを探し、必要に応じて部分的な修正を行ったものを繋ぎ合わせて開発するケースが多いようです。過去に使用したことのある回路データの流用であれば、実績があるため、開発期間や開発コストの面でとても有効な手段ともいえます。

ただし単に、実績がある回路データを繋ぎ合わせれば良いというものではありません。製品の細かな条件が異なれば過去製品ではOKだった回路も、エンジニアがその回路の特性や、意味を理解していなければ思わぬ不具合が発生します。これらの問題を含め、設計の正しさをチェック、問題があれば修正指示を出すために設計段階の要所でデザインレビューが実施されます。しかし、エンジニアたちは多忙のためレビューに割ける時間が少ないだけでなく、しっかりとした知識を持ち合わせてレビューを行える熟練のエンジニアが少なくなっているのも実情です。
あなたの設計部門では、同じような問題が起こっていませんか?

プロローグ

車載機器メーカーN社は、新製品・バージョンアップ製品など、年間で数十種類の製品をリリースしています。N社製品は、品質の評価が高く業界でも高いシェアを獲得していますが、製品開発部門ではある深刻な問題に直面していました。
多くの製品が高機能、省スペース、省電力化しているため、回路が複雑化しています。それでも品質を維持しつつ短納期で開発すべく、既存製品の回路を流用した設計に取り組んでいるようです。しかし、既存回路の原理や特性を知らずに流用することで、思わぬミスや手戻りが発生し、製品開発期間や開発コストなどにも影響が出るようになってきたそうです。

このままでは、ビジネスにも影響が出かねないと判断したN社では、製品開発部門で改善に向けた取り組みを行いました。はたして、どんな取り組みを行ったのでしょうか?
ここでは、実際に現場で起こった話を元に、4回にわけて詳しくご紹介していきます。

あらすじ


第一回 「オレがかけだし回路設計者のころは・・・」などとお嘆きのあなたに

電気の知識がおぼつかないエンジニアが増えていませんか?

流用設計を行っているため、回路の原理・原則をしらない若手エンジニアが増えているなど、最近現場でよく耳にする悩みですが、これらが原因で回路設計時にちょいミスが多発していると聞きます。少ない設計工数で既存回路の流用が設計の主流となっているためなおさらです。エンジニアたちは、回路の原理を理解するための時間もなかなか取れません。知識や経験が少ない若手でも、ベテランと同じような設計を行えるといいのに。なんて考えたことはありませんか?

 

第二回 「で、誰がレビューするの?」「・・・」※前編
第二回 「で、誰がレビューするの?」「・・・」※後編

設計で大事な関所になるはずのデザインレビュー。

実際の設計現場では、十分なレビュー時間が確保できず、膨大なチェックリストをこなすことがほとんど。ベテランエンジニアのノウハウを継承する重要なレビューに時間がさけず、若手設計者のスキルも育たない。次第に設計品質も低下してきた・・・。ベテランエンジニアのノウハウを確実に継承しながら、若手でも効率良くレビューさせるには?また、ベテランエンジニアのノウハウを確実に蓄積するには・・・

 

第三回 「まあ、うまくやっといて!」はダメ、ダメ。正しい設計指示ってどうやるの?

いまの基板設計指示で十分なのか!?

高速、低電圧化した製品の基板上には、ノイズの影響を受けやすい回路やノイズ発生源となる信号など様々な要素が増えています。部品配置や配線経路によっては意図した動作と異なる場合があるため、基板設計者への設計指示には注意が必要なのですが、いまいちうまくいかない様子。人依存にならず、余計な手間をかけずに的確な指示を出すにはどうしたらいいのでしょうか?

 

第四回 「人に歴史あり!回路ブロックにIPあり!」 単なる流用から設計IPの活用へ

実績ある回路を組み合わせているのにうまくいかないのは、なぜ?

回路には単なる回路図だけでなく、その回路の要求仕様や機能仕様、搭載されている部品の仕様や部品選定された背景など、さまざまな情報があるはずなのに、それらの情報がすぐに引き出せなかったり、見つからなかったり。結局、「実績」だけが頼りになっていませんか?実績ある回路をライブラリ化していても、部品がEOLのために代替部品を選ぼうにもそれが正しいのかどうか確証を得ることが難しく、数年経つと回路が使えなくなってしまう。これらを解決するためには、どのような仕組みが必要なのでしょうか?

 

 

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