突然ですが、なんの写真か分かりますか?

はじめまして、「Club-Z」で連載を担当させていただきますアンドールシステムサポートの谷口です。こちらのコラムでは、試作基板のデバッグやテストにおける課題と解決策についてお話ししたいと思います。少しでも皆さまの業務を見直すきっかけにしていただけると嬉しいです。

早速ですが、写真1は3次元X線の画像です。これが、何を示しているか分かりますか?

 
3次元X線の画像

写真1.3次元X線の画像

 

実は、BGAパッケージの部品にはんだ不良があることを示しているのです。3つのボールが並んでいますが、中心のボールには、はんだが接合していないことが分かります。白く見えているのは金属ですが、左右のボールは部品側(上部)と基板側(下部)に正しくはんだが接合していることが分かります。しかし、中央のボールは、部品の端子のまま球状に見えるため、はんだが接合していないことが分かります。

最近、このようなBGA部品のはんだ不良が増えているのです。

 

試作基板の実装トラブルが増えている!?

電子機器の小型化と高性能化が進んでいることは、多くの方が実感されているのではないでしょうか。実装技術が進化することにより、電子部品も小型のパッケージが増え、基板のサイズも年々小さくなっています。FPGA、プロセッサ、メモリなどの基板を構成する主要部品の小型化で、BGA部品が一般的に使われるようになりました。
BGA部品のパッケージは、ボール間のピッチが1.27mmから1.0mm、0.8mm、0.5mmと年々狭くなってきています。ザイリンクス社とインテル社で、さまざまな業界の製品で使われているFPGAを調べたところ、下記のように小型製品向けの狭ピッチの部品パッケージが用意されていました。

 
FPGA部品 パッケージの小型化

図1.FPGA部品 パッケージの小型化

 

従来、BGAパッケージ部品の実装は、はんだ不良が少ないと言われてきました。しかし、これは3年ほど前までの話だったようです。BGAの狭ピッチ化にともなって、この数年間で不良基板が増えており、お問い合わせいただく件数が増えているのです。
お客様の故障解析をサポートする中で気付いたことは、0.5mmピッチの狭ピッチBGAを使い始めると、極端に実装不良が増えるということです(写真1のBGAが、まさに0.5mmピッチです!)。トラブルの症状はさまざまですが、試作基板だけではなく、量産基板でも起こっているので、深刻な状況になっています。お客様の手元に不良基板が山積みになっていることもありました。

 

不良基板のトラブル増加

図2.不良基板のトラブル増加

 
 

試作基板における7つのトラブル例

BGA部品を使っている基板といっても、製品の用途・性能はさまざまです。今回は現場で起きている実装トラブルの例を3種類のサンプル基板でご紹介します。皆さんの基板はどのような構成でしょうか? また、これらのトラブルの経験はありませんか?
お客様から伺った「あるある話」と一緒にご紹介しましょう。

 
基板A : マイコン、またはFPGAを1つ使用した構成(組込み機器の通信、制御基板)

最初の基板は、小型の組込み機器の例です。1つの制御用マイコン、もしくはFPGAから通信用IC、制御用ICをコントロールする回路構成で、コネクタから外部に接続された機器と通信し、センサやモータなどを制御する基板です。

 

組込み機器の構成例

図3.組込み機器の構成例

 

この基板で起こる可能性があるトラブルは2つあります。

① マイコン、FPGAが立ち上がらない
あるある話: 不良箇所は分からないが、BGA部品の不良を疑い部品を交換してみた。
       しかし、状況は変わら%8