「Functional safety of electrical/electronic/programmable electronic safety-related systems」という表題を持つ、機能安全における基本規格。表題の意味は、安全にかかわるプログラマブルな電子システムの機能安全という意味。プログラマブルな電子システムというのは、マイコンなどのプログラムで動作するものを指している。以下のものはIEC-61508-4(用語集)で対象物となっているもの。

3.3.12 例 以下はProgrammable Electric Deviceである。
Microprocessors(マイクロプロセッサ)
Micro-controllers(マイクロコントローラ)
Programmable Controllers(プログラマブルコントローラ)
Application Specific Integrated Circuits(ASIC)
Programmable Logic Controllers(PLC)
その他コンピュータベースの下記の類
スマートセンサー、センサー発信器、弁などのアクチュエータIEC61508は7分冊になっている。
Part1 管理やリスク分析、要件定義
Part2 システム及びハードウェアに対する要件
Part3 ソフトウェアに対する要件
Part4 定義や略語
Part5 SILの決定方法の例
Part6 Part2,3運用時のガイドライン
Part7 技法解説

IEC-61508は一般的包括的(Generic)基本規格であり、どのような分野にも使用することが可能だが、セクター規格(IEC-61508を参照して取り決めた、特定の業界分野に対する機能安全規格)がある製品分野は、セクター規格の使用が優先される。たとえば、プラント設備ならば、IEC-61511という規格があるので、その規格を使用する。乗用車ならばISO-26262という規格があるので、その規格を使用する。しかしセクター規格がカバーする範囲は限定されるため、どのセクター規格にも結び付かない製品の場合は、IEC-61508を用いて機能安全を実現する。リスクの定義、ハザード抽出の観点や分類、基本的な安全仕様の考え方、アプリケーションの管理などは、セクターごとに異なる。コンピュータシステム内部の開発そのものは、「IEC-61508を見よ」となっている場合が多い。