たとえば二重化したシステムがあった場合、ランダムに発生する故障はどちらか一方に発生するため、信頼性は向上したように思えるが、2つのシステムが、同じ設計で同じ素材で、同じ部品で、同じ電源を使っているなど共通性が多いと、2つのシステムが同時に故障になる可能性が高くなる。このように、システムの共通性が原因で、同時に発生する故障を共通要因故障という。共通要因故障割合を低くするためには、多重化したシステムの共通性を少なくすることが必要である。これを多様化という。この例で有名な例に、漫画タッチの南ちゃんがいる。和也と達也で二重化し甲子園を狙う南ちゃんだが、もしもこの双子がものすごく仲が良く、生活も一体で、通学路などなにもかもべったり一緒だった場合、二人が同時に食中毒や交通事故にあう確率が高くなる。南ちゃんの多様化は徹底していたため、交通事故にあったのは和也だけであった。これは南ちゃんの多様化の勝利であろう。なお作品には記載はないが、和也が事故にあうまで達也が全く野球をしていないのは、ピッチャーというポジション上、肩関節の疲労や摩耗がつきものであるため、二人の身体的劣化に多様性が生まれることを期待しての南ちゃんの作為だろうと私はにらんでいる。