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  • この言葉や、Fault, Failureなどもそうですが、適切な日本語を決めるのがとても大変です。いずれも「障害」といえば間違いではありませんが、規格の中では異なる概念として扱われています。Hazardの訳を引くと「災害要因」「危険のもと」のような記載があります。最終的な被害をHarmというのですが、Hazardはその要因を示します。このため、「災害要因」と説明する場合がありますが、Fault、Failureも災害の要因であるともいえるので、その違いが判りづらいです。Harmが「生物が絶滅をする」という最終的な結果を表すと考えれば、その要因としてのHazardは「原油が流出する」状況を示します。FaultやFailureは、計器が壊れていたり、人為的なミスがあったり、弁が開かなかったりという、そこに至るまでの経過の中で発生する事象を指します。
  • FaultとFailureの捕らえ方には、規格や文献でことなることが、IEC-61508にも記載されています。この手の障害を扱う文献や規格では、まず最初にこの2つの関係性についての定義を把握することをお奨めします。
  • 今回のメールマガジンでは、FaultがFailureに至り、そのFailureが新たなFaultを発生させ。。。。。と伝播した最終的な『厄災』をHazardとして記載しています。これをすべて『障害』もしくは『障害要因』と訳してしまうと、『障害が障害に至り、その障害が新たな障害を発生させて、最終的に障害要因を引き起こしてしまう。』となってしまい、何のことかわからなくなりますね。
  • このため、これらを区別する必要がある時は、あえて英語表記のまま使うこととします。
  • 余談ですが、Functionを函数と中国語訳した話がしられていますが、ナルホドと思います。特にソフトウェアのライブラリなどではFunctionは、函っぽいですから。今回申し訳ありませんが、このようなセンスは持ち合わせていないため、HazardはHazardとして記載させていただきます。