☑Club-Z編集長の
訪問!日本の設計現場
「お金を払ってでも一緒に飲みたいと思われる人になりなさい。」
お蔭様で45周年。危機を乗り越えられたのは、いつも相手のために何ができるかを考えていたからです。
株式会社戸塚電子工業様
2011.07.21
CZ:戸塚電子工業さんの会社としての強みは何でしょうか。
伊藤統括部長:我が社の強みはやはり「アートワーク設計から試作まで全て対応が可能」といった点です。これまで築き上げてきた技術と設備により、モノづくりのあらゆるご要望にお応えできる体制が整っています。ですので、ご注文いただいたら、その一枚の伝票で完成品まで作ることが可能です。通常ですと、アートワーク設計はA社、基板製造はB社、板金はC社、とお客様はあちこちに発注をしたり、部品を集めたりして、目に見えない工数やお金がいろいろかかっているかと思います。その点、弊社にお任せいただければ一枚の伝票でアートワーク設計から試作、量産まで可能です。部品配置の向き一つ一つをとっても、実際の半田上がりを考慮する等、製造まで配慮した設計を行います。これは、設計から検査、試作、製造まですべてのプロセスを自社で実施し、数多くの経験によって培われたノウハウがある弊社だからこそ、可能であると自負しています。こうしてできる精度のよい製品が結果的にお客様のコストダウンにつながると考えています。当たり前ですが、ちゃんと製品ができて初めてお客様の要望に適うわけですから。
CZ:以前、弊社の営業から、戸塚電子さんは独自に相当な数量の部品を在庫している、と伺い、その規模にびっくりしたのですが…ん億円とか。
伊藤統括部長:以前は、全て支給品で製造を行っていたので、部品在庫を持つ必要はありませんでしたが、お客様からの依頼はいつくるか分かりません。そこで、いついかなるタイミングでも迅速な対応ができるよう、部品在庫を持つことにしたのです。今では、月によっては2億円程発注を行うこともあります。
CZ:に、2億ですか!?
伊藤統括部長:はい。でも、月に5千万円~1億円程度は消費してしまいますからね。
CZ:お客様にとっては有難い体制ですが、御社にとってはリスクの高い運用ではありませんか?
伊藤社長:確かに資金的に余力がないと難しいことですが、ビジネスチャンスを逃さない、できるだけ安定したコストで部品を調達できる、といったプラスの面もありますので、弊社にとっても十分メリットはあります。少しでもお客様のメリットになるよう一番良い体制を考えています。せっかく一貫した受注ができるのに、部品がなくてモノが作れませんとは言えませんからね。
CZ:さらっと、おっしゃっていますがなかなか出来る事ではないと思います。お客様のことを第一に考えてそのメリットになるのであれば、難しいこと、他がやらないことにも積極的にチャレンジする。それが御社の強さになっているのでしょう。
CZ:戸塚電子工業様にとってのこの先10年を考えたとき、何が重要だとお考えでしょうか?
伊藤社長:5年先、10年先を見て最先端の技術に対応し、設備導入をし、そしてそのレベルにあった人材を育てることが大切だと思っています。この業界の動きは早いですから、常にアンテナをはり、新しい技術・製品は取り入れるよう研究し、努力することが大切だと思っています。そして何より、お客様の欲しているものは何なのか?お客様に喜ばれることは何なのか?を一番に考え、仕事に取り組むことが今も昔も変わらず最も大事だと私は考えています。
CZ:それでは最後に…この45年間日本のモノづくりの真っ只中で走ってこられた伊藤社長から見た、これからの日本のモノづくりのあり方について是非ご意見をお聞かせ下さい。
伊藤社長:今、モノづくりの中心は海外へ出て行ってしまっています。それは単純に「コストが安い」という理由からです。だからといって、日本はコストで戦ってはいけません。日本は『日本でなければ作れないもの』を「創って」、作っていかなければならないと思います。加工するだけ、製造するだけなら、きっとどこの国でもできます。だから、より高度な技術を持たなければ生き残っていくことはできないでしょう。技術力がなくなってしまったら終わりです。常に高度な技術にチャレンジしていくのはとても厳しいことだと思いますが、日本はきっとできると信じています。
CZ:今回の震災に伴い、海外の自動車生産のラインが止まるということがありましたが、その原因が日本で部品や材料が調達できなかったからと知り、驚きました。日本にしかできない技術力というのが、知られていないだけできっとまだまだたくさんあるのでしょうね。
伊藤社長:そうですね。そういった技術力を常に磨くことが今後の日本には重要なことだと思います。そして、これは我が社にとっても同じことが言えると考えています。
● 株式会社戸塚電子工業 プロフィール
本社工場所在地:〒252-0801 藤沢市長後1349-1
設立:1968年7月22日 資本金:1,000万円
代表取締役:伊藤 啓三 売上高:年商20億円
従業員数:75名(男子35名、女子40名)
工場敷地面積:土地面積2,100㎡ 建物延面積2,000㎡
事業内容:OA機器、通信機器(光関連)、医療器、測定器、貨幣処理機、各種産業用制御機器の開発、設計、製作、防災機器関係
(回路設計、プリント基板設計、板金、樹脂成形設計、ワイヤーハーネス設計)
所有CAD:CR-5000/System Designer ×1、CR-5000/Board Designer ×2、
PWS ×5
☆設備は全て環境にやさしい鉛フリー対応です。
●TEL : 0466-43-6433
●E-Mail :
office@totukadenshi.co.jp