Club-Z劇場
新人岡田君のちょいモテ設計者への道
【最終回】試作基板を早く手に入れるためには ~サクラ咲く?!~
編集:Club-Z編集部
監修:岡本ESA 事務所/岡本 彬良
2009.03.26
―前回までのあらすじ―
結局、新製品のプリント基板仕様決めも担当することになった岡田君。次から次へと仕事が舞い込み、ちょっとしたパニック状態。そして、同時進行で進んでいたプロダクトZ。基板設計を依頼して、すっかり一段落着いたと思っているようですが・・・今回ついに最終回!一体どんな結末が待っているのでしょうか!?
カツカツカツカツカツ。
このフロアには珍しいヒールの足音。そして、その足音がピタっとオレの横で止まる。フワっといい香りがした。顔を見上げると、そこには書類を抱えた篠原さんが立っていた。
「篠原さん!お久しぶりです。わざわざこちらにお見えになるなんて珍しいですね・・・?なんすか?」
キっと睨む篠原さん。
「何すか?じゃないわよ!何でしょうか?でしょ?全く。ところで、新製品にばかり気を取られて、主担当のプロダクトZの準備忘れてない??」
「あれ・・・もう基板設計の依頼は出しましたけど・・・??」
「出た。もう気抜いてるし。君、全然成長してないわね~。
ほんと、なんでわざわざ私が出向いてきちゃったのかしら!本来なら岡田君が私のところに来るべきよね。全くもう・・・
とにかく。話があるから会議室にいらっしゃい!土田課長、会議室借りますね!」
どうぞ、どうぞと楽しそうに会議室を指差す土田さん。
土田さん!笑い事じゃないっすよ!よく分からないけど、オレ、また何かやっちまったみたいなんですからーっ*
「失礼します・・・」
会議室に入るなり資料を机に置き、腕を組み、こちらを睨む篠原さん。
「はい、そこ座って。
っで、早速だけど。プリント基板設計の発注を出したら、基板設計が終わるまで何もしなくていいの?何かやることあるでしょ?」
「えっと・・・配置チェックなどで基板設計会社さんとやり取りしてますけど・・・結構頻繁に連絡がくるので大変なんですよね~。。。」
「あとは?」
「えっ・・・?なんでしたっけ・・・??」
「やっぱり。まだまだ詰めが甘いわね~、君は。」
久しぶりに見た、この呆れ顔。。。なんだか振り出しに戻った気分だなぁ・・・(汗
「プリント基板設計が終わったら、少しでも早く試作プリント基板を作製し、少しでも早く部品実装し、少しでも早く試作基板を手に入れたいでしょ?」
「そうですね。入手が早ければ早いほど、試作基板を検証する時間が増えますからね・・・」
「でしょ?ということは、そのための準備が必要なのよ。まずはどんな準備が必要か説明していくわね。はい、これ。」