Club-Zコラム第28回

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

コラム


同時にやるシクミづくりとヒトづくり。
やっと気づいた改革の本質

【第28回】重要なのは技術者育成のパフォーマンス

株式会社RDPi  代表取締役 石橋 良造

2013.06.27

「強み」を知る

周りに技術者の育成に力を入れている人はいますか? メンバーから慕われているリーダーやマネジャーはいますか? あるいは、自分のこれまでを振り返ったときに、あの人がいたから今の自分がある、というような人はいますか?

残念ながら、そのような「人を育てること」に長けている上司に巡り会う機会は少ないのが現実です。「誰にも育てられた覚えはない」という声をよく聞きます。たとえ、そんなリーダーやマネジャーがいたとしても、その能力は属人的で、組織的な仕組みにはなっていません。型にはめることなく、技術者一人ひとりの特徴を活かした育成を行う仕組みづくりを考えなくてはいけないでしょう。

その仕組みの基本となるのは、「技術者一人ひとりに向き合うこと」、「人の特徴を特定すること」です。その方法は心理学などでいろいろと研究されていますが、実績のあるもののひとつに VIA-IS (Values in Action Inventory of Strengths) というものがあります。これは、心理学者のクリストファー・ピーターソン博士とマーティン・セリグマン博士が中心となって進めた研究で、様々な哲学書や教典を分析した結果、人間の美徳は、3000年以上も前から変わらず、6つの美徳に集約される 24 の特性からなるというものです。

VIA-IS が優れているのは、人のポジティブな面に注目して、「強み」という観点から人の特性を分類したというところです。特性というよりも「徳性」といった方が合っていますね。

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それぞれの徳性についての解説は、英語ですが以下のところにあります。

VIA Classification of Character Strengths
http://viame.org/www/en-us/via/viaclassification.aspx

また、このサイト(VIA Me!)では無料で VIA の自己診断テストを受けることができます。以下のページでアカウントを作成すると受けることができます。120 の質問に答えるもので約 20 分かかります。ちなみに、テストは日本語です。

Get your free VIA Me! Character Strengths Profile
http://viame.org/survey/Account/Register

自分の「強み」を知って、それを活用することが自分の成長への一番の近道です。そして、メンバーそれぞれの「強み」を知って、その強みを活用したチーム作りをすることが、メンバーを育てることへの近道です。製品開発を通じて技術者を育成する仕組みの第一歩は、一人ひとりの「強み」を知ることではないかと思います。



<お知らせ>
日本プロジェクトマネジメント協会が主催する「PMシンポジウム」が 11 月 21 日(木)、22 日(金)に開催されます。私が担当している製造トラックに、「ザ・チーム」の著者の 齋藤ウィリアム浩幸 氏を講師としてお呼びすることができました。

齋藤氏は、起業家として米国で大成功を収め、今は起業家支援をビジネスとしておられ、国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の最高技術責任者や国家戦略会議フロンティア分科会「繁栄のフロンティア」分科会委員も務めた方です。

イノベーションのための『チーム体制』」(第26回)でお伝えしたように、真の「チーム」体制を作ることが価値創造や変化対応のためには必須です。その「チーム」について齋藤氏から直接話を聞くことができるまたとない機会です。PMシンポジウムの詳細が決まりましたらお知らせしたいと思いますが、11月 21日は、ぜひ空けておいてください。

今回も、最後までおつき合いいただきありがとうございました。





speaker.jpg●執筆者プロフィール  石橋 良造
日本ヒューレット・パッカード (HP) に入社し、R&D 部門で半導体計測システムの開発に従事した後、開発プロセス改革プロジェクトに参加。ここで、HP 全社を巻き込んだ PLM システムの開発や、石川賞を受賞した製品開発の仕組み作りを行い、その経験をもとに 80 社以上に対して開発プロセス革新やプロジェクト管理のコンサルティングを実施。独立して株式会社 RDPi を設立した後は、より良い改革のためには個人の意識改革も必要、と、北京オリンピックで石井慧を金メダルに導いたピークパフォーマンスのコーチ養成コースを修了し、個人のやる気やモチベーションを引き出す技術の開発と、開発プロセスやプロジェクト管理の仕組み改革との融合を続けています。
●株式会社 RDPi :http://www.rdpi.jp/
●メトリクス管理ウェブ : http://www.metrics.jp/
●Email :  ishibashi@rdpi.jp
●ブログ : http://ameblo.jp/iryozo/entrylist.html
●facebook : やる気の技術   仕組みと意識を変える RDPi


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