Club-Zコラム第17回

印刷用表示 | テキストサイズ 小 | 中 | 大 |


clubZ_info_renewal.jpg

| HOME | コラム | シクミづくりとヒトづくり | 第17回 | P2 |

更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

コラム


同時にやるシクミづくりとヒトづくり。
やっと気づいた改革の本質

【第17回】やれないのはモチベーションのせい?

株式会社RDPi  代表取締役 石橋 良造

2012.01.26

モチベーションのせい?


さて、「在り方」の「たい」を明確にすることで目標達成のエネルギーも強くなり、関連した「結果」や「行動」の「たい」もやれる気がしているかと思います。まさに、モチベーションが高い状態です。

たとえば、次のような結果や行動の「たい」を目標にしているかもしれません。

  • 「ランニングして体重を落とす」
  • 「部屋の整理整頓を忘れずにやる」
  • 「月に2冊は本を読む」
  • 「毎週ブログを書く」
  • 「アルコールの量を減らす」
  • 「会議では必ず発言する」

しかし、どんなに「在り方」の「たい」を明確にしても、なかなか続かないし、なかなかやる気にならないというような場合も少なくありません。

こういうときに、「やる気が起きないのはどうしてだろう?」「どうしたらモチベーションが上がるんだろう?」というように、モチベーションの問題と考えてしまいがちです。どうしたらやる気が起きるのかと、いろいろな人に相談したり、インターネットでいろいろな記事を読んだりするかもしれませんが、そのときはやる気になっても行動には移せないことがほとんどです。そして、実際には行動を起こせないという現実に、「自分はモチベーションの低い人間だ」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

これは、モチベーションの問題だと考えていることが間違いなのです。自分で何かご褒美を用意するような外発的動機づけでは長続きしませんし、先ほどの「在り方のたい」というような内発的動機づけで解決することも難しいからです。内発的動機づけによるモチベーションは強力なのですが、意識がもとになっているので、頭の中で次のような言葉が聞こえてしまいます。

  • 「今日は起きるのが遅くなったし、ランニングは明日からでもいいや」
  • 「今は部屋の掃除よりも急ぎの用事があるから、それが片付いてからにしよう」
  • 「読む本は買ったから、明日の通勤時間にでも読めば大丈夫」
  • 「面白いことが思い浮かばないからブログを書くのは明日にしよう」
  • 「こんな発言しても意味ないから、無理しなくてもいいよね」

やろうと思った途端に、できない理由、やらない方がいい理由が次々と聞こえてきますよね。この声を聞いてしまうと、意識が働かなくてはいけないモチベーションはこの声の裏側に隠れてしまいます。

必要なのはこの頭の中の声を消すこと。この声を聞こえないようにするか、聞こえても無視することが必要なのです。モチベーションの問題ではなく習慣の問題と考えることであり、日常的な工夫で習慣を変えることが問題を解決することにつながります。たとえば、次のようなことを実行することです。

  • ランニング用のウェアを着て寝る。寝るときに横にウェアを置いておく
  • 掃除をする時間と場所(部屋のどこか)を予定表に入れる
  • 本の感想を伝える勉強会を作る
  • パソコンを開いてブログを書くエディターも開いておく
  • 会議室の一番前の席に座る

モチベーションは大切ですが、すべてをモチベーションのせいにしても行動を変えることができないこともあります。まずは頭を柔らかくして、習慣を変える工夫ができないかを考えてみましょう。

では、今年もよろしくお願いします。

以下の Facebook ページもよろしければご覧ください。
やる気の技術 : www.facebook.com/motivation3.0
仕組みと意識を変える RDPi : www.facebook.com/rdpi.jp










column_20100930_3.JPG●執筆者プロフィール  石橋 良造
日本ヒューレット・パッカード (HP) に入社し、R&D 部門で半導体計測システムの開発に従事した後、開発プロセス改革プロジェクトに参加。ここで、HP 全社を巻き込んだ PLM システムの開発や、石川賞を受賞した製品開発の仕組み作りを行い、その経験をもとに 80 社以上に対して開発プロセス革新やプロジェクト管理のコンサルティングを実施。独立して株式会社 RDPi を設立した後は、より良い改革のためには個人の意識改革も必要、と、北京オリンピックで石井慧を金メダルに導いたピークパフォーマンスのコーチ養成コースを修了し、個人のやる気やモチベーションを引き出す技術の開発と、開発プロセスやプロジェクト管理の仕組み改革との融合を続けています。
●株式会社 RDPi :http://www.rdpi.jp/
●メトリクス管理ウェブ : http://www.metrics.jp/
●Email :  ishibashi@rdpi.jp
●ブログ : http://ameblo.jp/iryozo/entrylist.html

【今回の記事はいかがでしたか?】

大変参考になった
参考になった
あまり参考にならなかった
参考にならなかった

今回の記事について詳細なご説明をご希望の方は、Club-Z編集局(clubZ_info@zuken.co.jp)までご連絡下さい。