Club-Zコラム第7回

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

コラム


同時にやるシクミづくりとヒトづくり。
やっと気づいた改革の本質

【第7回】変えよう! やろうと思っているのにできないことばかりの自分

株式会社RDPi  代表取締役 石橋 良造

2011.02.24

■優先順位づけとブレークダウン

私の場合は、最初に 20 個あった『やろうとおもっていることリスト』の項目がステップ1によって8個に減りました。これで、気分はずいぶんとスッキリです。ステップ1は、気にしていることや気に病んでいることを減らすことがねらいなので、これだけ減らせると上出来です。

次にやることは優先順位を決めることです。

基本的に、やりたいことがたくさんありすぎて手をつけることができない状況に陥っているので、優先順位をつけることが大切なのです。

優先順位を決めるには何かしらの比較が必要です。ここでは比較のために参考になる考え方を紹介しましょう。

「人に頼むことはできないか」

自分でやらなくてはいけないとは限りません。結果が大切なのであれば、自分の時間を使わなくてもいいこともあります。

たとえば、ぼくは Step1で「事務所の掃除」は必要ないと切り捨てましたが、商談の予定があってきれいにしておきたいと言うときはダスキンなどのサービスを使うこともできます。そうすると、「事務所の掃除」は「ダスキンを使う(おカネがかかるけど)」に変わり、実行することが簡単になります。

「やったら困ったことにならないか」 

やらなければと思っていることを実際にやってみると別の困った状況を引き起こすことがあります。たとえば、毎日のようにお酒を飲んでいるのでやめた方がいいと思っていても、ほとんどが会社の同僚やお客さんとのつき合いで、考えてみると、それが同僚やお客さんとのいい関係を作ることになってる。こんな状況では、お酒をやめるといい関係を作れなくなる可能性があります。

このような場合、自分にとってお酒をやめることと、いい関係を作れなくなることとどっちが大切なのかをとことん考える必要があります。身体を壊してまで良い関係を作るためにお酒を飲むのはどうかと思いますし、家族が心配しているのが理由であれば、心配しなくても大丈夫なことをしっかり説明すればいいのかもしれません。

私の場合は、やろうと思っていることリストの中に「ホームページを作り直す」「メルマガを出す」「新しいホームページを作る」というのがあったのですが、優先順位を考えて「ホームページを作り直す」は後回しにしました。

「メルマガを出す」と「新しいホームページを作る」は並行して進めることができそうなので優先させ、既存のホームページの作り直しはその進み具合を見ながら考えるのが効率的だと考えたからです。

さて、優先順位づけが終わったら、次にやることはブレークダウンです。

リストアップしたものの中には、漠然とした内容でやることがはっきりしないものがあると思います。そんな項目があるときは、もっと小さなアクションにブレークダウンします。とりかかるのに必要な作業量と期間の両方で考えて、大きすぎるものは小さな単位に置き換えるのです。

私の例では「新しいホームページを作る」というのがありましたが、これは漠然としすぎていて何から手をつければいいのかわかりません。たぶん、放置されたままになります。

このような場合はテーマを詳細化して、アクションがとれる小さな単位にします。

「新しいホームページを作る」はその目的を明確にして「コーチングのメリットや必要性を伝える」としました。でも、まだ大きいですね。そこで「コーチングのメリットや必要性を伝える原稿を書く」にしました。だいぶ、わかりやすくなってきました。でも、まだまだ大きいです。

さらに「コーチングは、やりたいことがあるのにできないようなときに、力になることを伝える原稿を書く」としました。ここまでブレークダウンすると何をするのかが明確になりますね。実は、このメルマガの記事はこのブレークダウンの結果のアクションです(笑)

こんな風にどんどん具体化、詳細化して、すぐに実行できる単位にします。小さくても最初の1歩を実行できれば、最初の大きな目標に向かうのも楽になります。私の場合も、このメルマガ記事のおかげで新しいホームページを作ることができそうな気がしてきました。

これまでのステップで、最初にリストアップしたものは本当に必要なやりたいことリストに生まれ変わったはずです。私の場合は 20 個あったものが3個になりました。

■やろうとおもっていることリストの最終形

やろうと思っているけどできないでいることを整理してモヤモヤした気持ちを減らし、やりはじめるための方法を整理しておきましょう。次の手順でした。

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私の場合は、この4つのステップで、最初に作ったリストにあった 20 個のやりたいけどできない項目は3つになりました。

もし、これまでのステップで項目があまり減ってない人がいれば、最後のアドバイスです。
それは、もう一度ステップ1からやり直すこと。

当たり前でがっかりしましたか?
そうだとしても、次のことに気をつけてもう一度やってみましょう。


大切なのは:

勇気を持って「消す」こと。
迷っているなら消す。

これがポイントです。

たとえリストから削除したとしても、本当に大切なことを忘れることは絶対にありません。時が来たらまたやりたいこととして復活するので大丈夫。安心してバッサリ消してください。スッキリした気分になりましょう。

リストを絞り込むだけでちょっと長くなりましたが、今回はここまでにしたいと思います。
次回は、絞り込んだ項目を実際に行動に移す方法について紹介したいと思います。


column_20100930_3.JPG●執筆者プロフィール  石橋 良造
日本ヒューレット・パッカード (HP) に入社し、R&D 部門で半導体計測システムの開発に従事した後、開発プロセス改革プロジェクトに参加。ここで、HP 全社を巻き込んだ PLM システムの開発や、石川賞を受賞した製品開発の仕組み作りを行い、その経験をもとに 80 社以上に対して開発プロセス革新やプロジェクト管理のコンサルティングを実施。独立して株式会社 RDPi を設立した後は、より良い改革のためには個人の意識改革も必要、と、北京オリンピックで石井慧を金メダルに導いたピークパフォーマンスのコーチ養成コースを修了し、個人のやる気やモチベーションを引き出す技術の開発と、開発プロセスやプロジェクト管理の仕組み改革との融合を続けています。
●株式会社 RDPi :http://www.rdpi.jp/
●メトリクス管理ウェブ : http://www.metrics.jp/
●Email :  ishibashi@rdpi.jp
●ブログ : http://ameblo.jp/iryozo/entrylist.html

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