EMC設計編

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03


☑コストリダクションプログラム

3.EMC設計
対症療法のコストダウンでは氷山の一角しか崩せない。

2010.11.25

3. 根本的なコストダウンにつながるEMC対策とは?
我々が設計のコンサルティングサービスをさせていただいている時に必ず発せられる言葉があります。
いわく、

     『ここ以外、何も変えていません』

この言葉には大きな落とし穴があります。つまり「ここ以外の、私がノイズに影響しないと思っているところは、いっぱい変えている」ということを意味しているのです。「ここしかノイズに影響ないはず」という思い込みがあるうちは、結局同じ対策の繰り返しになってしまいます。せっかく自社内にEMCサイトがあっても、繰り返しが多くなるだけで、短縮されないポイントはここにあります。
「わかる」と「できる」とは違います。「そんなことはわかっている」とすぐに言う人がとても多いのですが、しかし本当に「できている」といえるのでしょうか?crp_101125_2.JPG
EMCを「全体を設計する時点」から考えて、その考え方を設計の上流から取り入れることを「EMC設計」と呼びます。凄いノウハウはありません。ただ、今までとは見る視点を変えるトレーニングが必要です。今までの癖を直すのは大変です。EMC設計もマスターするには練習が必要です。必要なのは優秀なティーチャーではなく、コーチ/トレーナーです。
図研には経験豊富なiNARTE資格を持ったコーチ/トレーナーがいます。またEMC設計をサポートするITツールもあります。EMC設計技術ノウハウとITツール(EMCアドバイザ)の両輪で基礎的なレベルからのスキルの底上げを行い、継続的な取り組みを支援します。

具体的なITツール(EMCアドバイザ)には、以下の特徴があります。

●ボードCAD(Board Designer)の上で稼動
ボード設計中にタイムリーにチェックでき、早期にEMC設計の要素をボードに取り入れることが可能です。
●豊富なEMCチェック機能(39ルール)
図研独自で構築したルールに、ノイズに厳しいデジタル情報家電ユーザや車載電子機器ユーザの事例に基づき構築したルールを加え、合わせて39ルールでカバーしています。
●新たな設定不要、デフォルトで稼動するルールも多数crp_101125_3.JPG
もちろん設定したEMC設計コンストレインツは、回路CADに保持でき、流用可能です。
●レビュー環境とも連携
BD Viewer Advance(Rev13より)やLightning-Inspectと通信しながら検証が可能です。

また、具体的なサービスは、以下のとおりです。

(1)EMC設計技術スキルアップトレーニング
設計者のEMC設計技術の底上げを狙います。
EMC設計に必要な知識について丁寧に解説いたします。講師は、EMCの現場で豊富な経験を積んだiNARTEエンジニアが担当します。特長としては、”実務で使える”ことに主眼をおいた応用トレーニングになっています。実際の業務上における経験に基づき、有益で即活用できる内容を盛り込みました。EMC関連のセミナーで多く見受けられるような、「理論的な説明ばかり聞かされて、実務にどうやって活かすかわからない」といったことはありません。
EMCの概略から原理、規制、測定、ノイズ抑制技術、EMC設計の基本原理、解決の方向性など多岐に渡り、理解を深められるようにデザインしています。理解度の確認のためのテストや、自社に合わせたカスタマイズも可能で、受講後の質問に対する訪問フォローもあります。
受講後は以下のような疑問について、本質的な理解が得られるようになります。

  • ノイズはどこから放射するのだろう?
  • 正確に測定できているのだろうか?どうやって判断すればいいのだろう?
  • カタログ値どおりにノイズフィルタが効かないぞ!
  • シールドしても、電波吸収シートを貼っても全くノイズが落ちないぞ!?
  • どんな基板パターンがノイズを出さないのだろう? etc…

(2)EMCアドバイザ構築支援サービス
ITツール(EMCアドバイザ)を用いたEMC設計の定着を狙った、iNARTE認定エンジニアによるコンサルティングサービスです。
EMCアドバイザを使用したEMC設計の方法を指導します。オペレーションはもちろんのこと、運用のポイント(チェック項目の設定、チェック結果の見方や修正方向など)を学んでいただきます。担当者の方が、EMC設計エンジニアとして社内で支援活動に携われるようにします。

(3)EMC設計サービス
iNARTE認定エンジニアによる製品に対するコンサルティングサービスです。crp_101125_4.JPG
今待ったなしでEMCの規格を通したい方向けのサービスです。ただし、待ったなしの製品では我々のエンジニアでも手当てできることは限られており、コストダウンにはつながりません。
基本的には原因究明中心に支援させていただき、本当のEMC設計サービスは次回の改版設計からスタートします。ノウハウと実測をベースとしてトータルにEMC設計を支援します。大きな特徴は、品質レベルの目標についてお互いに意見交換をし、コミットメントを創作してから(VCCクラスBから-6dBなど)、コンサルティングサービスをスタートする点です。コミットメントを達成するまで支援します。設計フローの様々なタイミングで意見交換を行い、ボードについてはEMC視点の検図をiNARTE認定エンジニアが担当します。ボードパターン設計中にiNARTE認定エンジニアが現場で指導することにより、パターン設計期間を増やすことなく、製品設計に貢献します。完成した製品の測定・検証の結果は「EMC設計報告書」 として提出します。達成できないコミットメントは創作しません。つまりその場合はサービスをスタートしません。我々のエンジニアで不可能と思われることは正直に意見交換の中で場に出し、議論させていただき、その結果、条件が整わない場合は実施しません。


4. 待ったなし!EMC対策
今後エレクトロニクスの設計は、下記のようなトレンドで進んでおり、ますます難しくなっていきます。

  • ○進む半導体の小型化・複雑化
  • ○無線技術の適用範囲拡大
  • ○低炭素化社会実現に向けての電力制御の拡大

それに伴い、EMCの問題はより複雑になっていきます。また一方では、機能安全視点でのリスク最小化の必要性も迫っています。
今こそ設計者全体のEMC設計スキルを鍛えて、レベルアップする時期です。ここに投資いただくことが、将来の大きなコストダウンにつながります。
図研にお任せください。


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