図研は欧州の重要な電気自動車研究プロジェクトであるEM4EM(電気移動体のための電磁気的信頼性と電気システム)の主要メンバーとして参画しています。
このたび本プロジェクトは、フランス カンヌで開催された欧州ナノエレクトロニクス・フォーラム2014にて、2014年に最も革新的だったプロジェクトとして「CATRENEイノベーション・アワード」を受賞しました。 CATRENE(アプリケーションおよびナノエレクトロニクスに関する欧州での技術研究クラスタ)はEUファンドによる研究プログラムです。
CATRENEプログラムのアプリケーション担当ディレクタであるピーター·コッホ氏は以下のように述べています。
「CATRENE EM4EMプロジェクトの成果は、次世代の電気自動車への前提条件であり、広く欧州の自動車産業がこの成果を享受できるようになるだけでなく、雇用の維持・増加にもつながる重要なものです。この学際的なコンソーシアムに参加した各企業がそれぞれの専門知識を持ちよることにより、効果的なソリューションをもたらすことができました。」
図研は、電気自動車におけるEMC(電磁両立性)問題に取組んできた「EM4EMプロジェクト」にEDA業界を代表して参画し、モデリングと解析の方法論に焦点を当てる「スマートシステム・インテグレーションのための高度なEMRデザイン」研究チームの活動で主要な役割を果たしました。このプロジェクトには、アウディ、ダイムラー、ボッシュ、インフィニオン、コンチネンタル、NXPとELMOSセミコンダクター含む3カ国、17のパートナが集まっています。
電気自動車におけるEMCはエンジンが大電流・高電圧であるためクリティカルな問題であり、ミリボルト/ミリワット範囲で動作するECUは、エンジンの近くでも妨害されることなく共存しなければなりません。
この研究プロジェクトで図研は、ECU(電子制御ユニット)のための電源およびグランドのシステムにおけるEMC関連のモデリングと、シグナル·インテグリティのシミュレーションで電源グランドに関連するノイズについて、先進的な技術コンセプトや知見を提供しました。
本件での図研のプロジェクトリーダーである高速回路設計分野のシニア・コンサルタント、ラルフ・ブリューニングは、今回の受賞について以下のように述べています。
「我々のプロジェクトは、仕様設計フェーズにはいるプロジェクト・レベルから車体、システム、サブシステムから最終的にはパッケージ、チップレベルに至るまでのその体系的なアプローチが評価され表彰されました。体系的なアプローチは、電気自動車の電装システム全体で、期待された設計結果を実現する上で不可欠なものです。私たちは、自動車開発の分野で一般的なVモデルにより、R&D活動を構造化しました。プロジェクトの成果は我々の解析能力を将来にわたり著しく強化することになるでしょう。」
プロジェクトでの活動は、図研が認定されているソフトウェアの品質基準であるAutomotive SPICEに適合させながら進めました。図研は、このプロジェクトでの成果を、図研の電子設計やワイヤハーネス設計ソリューションに実装することにより顧客にフィードバックしていきます。
sandbox.zuken.com/EM4EMにてEM4EMに関する図研の取組についてのブログ記事を読むことができます
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