Service
経験と実績が違います!
図研のSI/EMC設計ソリューション -中編-
2007.09.20
■EMCの問題
近年、EMCの問題を抱えておりEMCの取り組みを重要視されている方が多いのは、前回述べた通りです。 このEMC問題の要因の多く は、製品が出来上がってから対策をしている点です。EMCについて根本からの対策を考えると、筐体などの対策は対処療法的と言えます。筐体シールドの対策をしても 、もぐらたたきのようになってしまいノイズを抑えきることができない場合が多いです 。根本的な解決のためには、 回路が動作しているプリント基板からの放射ノイズを抑える必要があ ります 。
■EMC設計へ
EMCに対する弊社の取り組みとして、プリント基板に対して設計段階からEMCを考慮する「EMC設計」を推進してい ます 。EMCを考慮したプリント基板設計を行うことで、製品が出来上がってからの対策の負荷を軽減することが可能です 。 放射ノイズの出にくいプリ ント基板設計をすることで、当然放射ノイズのレベルが下がり、EMC規格のクリアが容易になります。また、規格をクリアできなかった場合でも、設計段階で設計指針を満たしきれなかった箇所に問題箇所を絞り込むことができ、EMC設計をしていない際の対策と比較すると効率が良くなるメリットもあります。
弊社でも、様々なお客様にEMC設計の実践による、EMC問題の解決をお手伝いさせて頂いており、 EMC設計の効果と必要性は疑う余地の無いところです 。EMCの問題を抱えていらっしゃる方は、是非「EMC設計」を実践してみてください。
■EMC設計のポイント
ただ、やみくもに設計段階でEMC考慮しようと思っても、適切な手法で実践をしないと、非効率的でうまくいかない場合もあります。 「EMC設計」を行うには以下のポイントがあ ります 。
(1) 随時パターンチェックを行う
プリント基板の設計が終了した段階で、EMCが考慮されているかパターンチェックを行っ ても、修正が困難です。最終段階で問題箇所が見つかっても、最初から引きなおさなければ修正できない場合も多いです 。この点から、修正の余地の有る段階で随時チェック、修正を行う必要があ ります。
(2) 設計者間のディスカッションを密に行う
デジタル情報家電などでは、回路とプリント基板の設計者が分かれている場合が多いです 。このような場合には、 回路設計者が「どの配線に、どのようにEMCを考慮すべきか」 を的確にプリント基板設計者に伝えることが必要となります 。また、「プリント基板上 で、設計指針に従ってどの程度配線を引き回せるか?」は基板設計者が行う方が的確な判 断ができ ます 。双方がディスカッションを行い現状で最善の引き回しをすることが重要です。
以上のポイントを意識して頂く事で、スムーズに EMC 設計を実践して頂けます。