Club-Z機能解説:BD編

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

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図研ベテランSEによる知って得する機能解説
-一点アース設計手法編-

2013.02.21


■はじめに
 回路、基板設計において、グランドパターンの接地方法はとても重要になります。グランドは、すべての信号における基準電位であり、グランドパターンの接地方法によっては基準電位が変動し、回路の誤動作といった悪影響を及ぼすからです。今回は、グランド設計手法である「一点アース」について解説します。

■一点アースが必要なケース
 共通のグランドを持つA回路ブロックとB回路ブロックがあるとします。回路図での結線は以下の図.1のようになりますが、レイアウト設計においてはグランドの接続方法を工夫する必要がある場合があります。例えば、A回路ブロックがマイコンと周辺回路から構成される低電圧回路、B回路ブロックがモーターを駆動するようなパワー系回路の場合を考えると、パワー系回路から発生する基準電位変動などの影響が低電圧回路に及ぼさないようにしないといけません。その場合は、一般的に“レイアウト”にてグランドを一点で“分離”します。

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(図.1)回路図での結線


 “レイアウト”にてグランドを分離する方法としては、図.2のように外部コネクタピンなどの基準グランドを起点にグランドパターンが枝分かれするようにレイアウト形状を造ります。こうすることでA回路ブロックとB回路ブロックのグランドが分離出来たことになります。

products_20130221_2.jpg

(図.2)レイアウトでのグランド分離



■異ネットのグランドの場合
 上記の方法は、一つのグランドネットを使って設計する場合を想定した方法ですが、一点でグランドを分離したいのに、同一ネットのため他の箇所でグランドを接続してしまうことや、どこの回路ブロック用のグランドネットかが判断しづらい場合があります。この場合、グランドネットを分けてCAD設計する方が楽になるケースが多々あります。例えば、A回路ブロック用のグランドネットを“GND”、B回路ブロック用のグランドネットを“PGND”として設定し、別々の回路ブロック用のグランドとして扱ってレイアウト設計し、最後にコネクタピンなどの基準グランドに繋ぎ込むという方法です。
 この場合、CADとしては異ネットのグランドが接続していることとなり、当然ながらショートと扱われDRCエラーが発生します。エラーが発生しないよう対応方法を次に説明します。

■対応方法
 Design GatewayまたはSystem DesignerとBoard Designerとの組み合わせでは、異ネットを繋ぎ込む場合の一点アース設計手法がいくつかあります。今回は、標準機能であるスターポイント運用について解説します。スターポイント運用では、以下の設計が可能になります。

  • 基板上で接続しても良い異ネットを回路図上で指定することができます
  • 基板上で、1 本以上の異ネットを接続してもDRC エラーとなりません
  • 基板上で、オンラインDRC がオンでも、スターポイント上であれば引き込むことができます
  • 基板上で、スターポイント以外の場所で接続している場合はDRC エラーとなります
  • 基板上で、部品端子(SMD、貫通)上をスターポイントとすることができます(スターポイント端子を部品端子に配置することにより、配線エリアを確保することができます)