エレキモジュラーデザインに必要な回路モジュール整備

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

☑Club-Z特集

ModuleStationを設計で使いたい!
第1回 エレキモジュラーデザインに必要な回路モジュール整備

2014.12.18

DCDC、LVDS、マイコン、モータードライバなどのキーパーツと周辺部品を組み合わせた回路CADデータや解析モデルを無料でダウンロードできるModuleStation。2012年7月に開設して以来多くの方にご利用いただいています。しかしながら、「エレキモジュラーデザインの必要性は感じているが、どう取り組めばよいかわからない」という方も多いかと思います。
この連載では、 ModuleStation開設のきっかけとなったエレキモジュラーデザインの動向やコンテンツの活用法などをご紹介しながら、エレキモジュラーデザインの取り組み方をご紹介したいと思います。

エレキモジュラーデザインで多品種少量生産に対応

図研では数年前からエレキモジュラーデザインについての取り組みを開始しており、現在では二十数社の運用やシステム化のお手伝いをさせて頂いています。そのお客様から何社かを抜粋して一覧にしました。

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上記の表をご覧いただくと分かるように、多くが”B2B”企業で、かつ“多品種少量”を製造する企業です。バリエーションの増加、設計の効率化、コストの削減など、背反する課題を解決するために、エレキモジュラーデザインの手法を導入しようと取り組んでいます。

2013年度に弊社が主催したイベントZuken Innovation Worldで実施したアンケート結果によると、すでにエレキモジュラーデザインに”取り組み中”のお客様が34%、“必要性を感じているが、取り組み方がわからない”というお客様が30%、両者を合わせると6割を超すお客様がエレキモジュラーデザインに強い関心を持っていました。しかし違う見方をすれば、必要性を感じているのに取り組み方がわからない企業が30%もあるということは問題ではないでしょうか。

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そこで、ここでは実際に取り組みを行っている会社が、どのように進めているかをご紹介します。


<車載機器メーカC社の事例>

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このメーカでは個別設計工数の削減を目的に回路のモジュール化を実施しました。整備した回路モジュールを管理するDBとしてDS-2を導入し、数年先のモデルを見越したエレキモジュラーデザインに取り組んでいます。当初全ラインナップを対象にモジュール化に取り組んでいましたが、仕様変更のインパクトが大きく、ローコスト品のコストがハイエンド品の仕様に引っ張られて高くなってしまうことなどから、低価格品と高級品を分けてモジュール化を進めています。

回路のモジュール化により、すでに開発工数が15%削減されましたが、開発工数の”半減”に向け、さらにレイアウトのモジュール化の取り組みを進めています。


取り組みのベースとなる回路モジュールの整備を支援

エレキモジュラーデザインでは、回路モジュールの整備が取り組みのベースとなりますが、ModuleStationを使うと、回路モジュールの整備を自社以外のリソースを使って効率良く拡充できます。前述したC社のケースに当てはめて考えてみましょう。

C社では自社で設計した回路図から再利用性の高い回路をモジュール化し、回路モジュールを整備していますが、例えば先行開発などで欲しい回路モジュールが自社にない場合、ModuleStationにアクセスすれば、デバイスベンダから提供される回路モジュールデータを設計パラメータやキーワードで検索し、無料でダウンロードできます。

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ModuleStationからダウンロードできる回路モジュールデータには、キーパーツと周辺部品の回路図データ、部品リストに加え、データシートやアプリケーションガイドなどの参考ドキュメント、シミュレーションモデルなども用意されています。構想設計段階での各種見積りや実現性検討にもそれらのコンテンツを活用できるので、すでにエレキモジュラーデザインに取り組まれているお客様にとってもモジュール化のさらなる推進にお役に立てると思います。
また、まだエレキモジュラーデザインに取り組まれていないお客様も、まずはModuleStationから必要なモジュールをダウンロードし、それを活用することでモジュール化の第一歩を踏み出すのはいかがでしょうか。

ModuleStationの詳細はコチラ ⇒ bnr_img_02.gif


今回はエレキモジュラーデザインの動向と、それに必要な回路モジュール整備について紹介しました。
次回はModuleStationを活用した回路モジュール選定や掲載コンテンツ活用についてご紹介いたします。

◆読者の皆さまにお伺いします。
【設計データ(回路情報)と一緒にモジュール管理をすると有効と思われるのは?】
 (複数回答可)

シミュレーションモデル
レイアウトデータ
構造(メカ)データ

今回の記事について詳細なご説明をご希望の方は、
Club-Z編集局(clubZ_info@zuken.co.jp)までご連絡下さい。