☑Club-Z特集
実装軽視に物申す!
第2回:JISSOでもう一度日本が勝つ道 キーワードは「3D」と「規格化」
福岡大学 工学部 電子情報工学科教授・工学博士
友景 肇
2011.08.25
■ 3次元実装設計の鍵
部品内蔵基板内部は、能動素子が、基板の何層目かに入り、電極から基板内部で受動素子に接続されて、表面に配線端子で出てくる。これは、上面から眺めた平面図では理解できない3次元配線である。これまで、プリント基板は、各層でのパターンを2次元で作り、積層して多層基板を作ってきた。しかし、途中の層にチップが入り、その上を封止した後、配線することになるため、チップの高さなどを考慮して3次元空間での座標位置を特定できなければ、接続ができなくなる。SiPの場合も同様で、接続形態から3次元空間での配置情報と接続情報が不可欠で、それなしには電磁界や熱の解析はできない。従って、3次元実装の設計、評価解析には、3次元情報が必要である。特に、EB-01で決めたような内蔵部品のパッド接続位置を特定できるデータフォーマットが必要である。設計されたデータは、基板加工の穴データやエッチングのマスクデータ、更には検査データとなる。部品内蔵基板を短期間に製造するためには、設計段階でのシミュレーションと各工程で使うデータをやり取りする仕組みが大事であり、これが鍵となる。
今回は部品内蔵基板製造の話であったが、次回は設計でのこれまでの取組みについて述べたい。
●執筆者プロフィール
友景 肇
1953年生まれ。1977年九州大学工学部電気工学科卒業。1982年九州大学大学院工学研究科博士課程後期(電気工学専攻)修了。1982年福岡大学工学部電子工学科講師。1985年福岡大学工学部電子工学科助教授。
1987年米国スタンフォード大学客員研究員。
2009年6月~2011年5月エレクトロニクス実装学会会長
現在、福岡大学工学部電子情報工学科教授・工学博士
潜入!三次元半導体研究センター ②
Club-Z編集部
「着きましたよ!」
目の前に現れた真新しい立派な建物。ここが今回取材させていただく「三次元半導体研究センター」です。まわりは山と緑に囲まれ、思わず深呼吸したくなるような、とても気持ちの良いところでした。
新築の匂いのする建物の中はとても広く、半導体、プリント基板の各種製造装置、そして試験評価装置などあらゆる最新の装置が完備されていました。このことについては、友景教授の記事の中で紹介されていますので、こちらのコラムでは少し違った面をレポートしたいと思います。
まずは、ウッドデッキのある交流スペース。
ここ、とても良かったです。
テラスに出て外の空気を吸えば、頭もすっきり、いい気分転換になりそうです。
そして、こちらはリフレッシュコーナー。
カウンターキッチン付きです。
本格的にお料理できそうな設備です(笑)
ここは、シャワールーム。
帰れなくても大丈夫なようです。シャワー浴びれますから。
それから、畳部屋。
徹夜続き、睡眠不足で辛い時にはここで仮眠もとれますよ。
きっと井草の香りに癒されることでしょう。
と、ご紹介したのは一部ですが、このような感じで、気持ちをリフレッシュするための環境も充実していました。
そして印象的だったのが、この巨大な研究員室。
壁にガラス製のホワイトボードがあるのみで、仕切りのないこのお部屋。人が自由に行き来でき、自由にディスカッションできる場となるよう作ったそうです。
「企業の枠を超えて自由に語り合える場になって欲しい」
そんな想いも詰まった本センター。
量産体制まで可能な最新設備の整った施設であると同時に、人との交流を考慮した設計にもなっていました。ご興味ある方は、一度訪れてみることをオススメします。
ここから日本発の素晴らしい技術が生まれる日もそう遠くないことかもしれません。