フロアプランの精度と効率を両立する

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

☑設計のお悩み解決します。

教えて!桃子先生☆

2013.12.19

【case03】
納期が短くあまり時間がありません。効率的、かつ、精度の高いフロアプランを行う良い方法はありませんか?

(回路設計リーダー:H.Kさん)

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タブレット端末の新モデルの開発がスタートしたのですが、バッテリー容量を従来比1.2倍に増やすために基板サイズを出来る限り小さくする必要があります。旧モデルの回路は、ある程度流用できそうなのですが、今回はいつも以上に納期が短いので、序盤からフロアプランの精度を上げていかないと終盤バタバタしそうです。初期段階での検討が大事なんですが、いつも苦労するんですよね。
桃子先生!何か良いアイデアはありませんか?


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う~ん、なかなか大きなテーマですね。
ところで初期検討ってどのように進めているんですか?



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はい。フロアプランという点ではメカ側と相談しながら何パターンか基板分割プランをVisioやPowerPoint上で書いて、それぞれ部品の配置イメージを書いて比較しながら絞り込んでいく感じですかね。その後は各基板の担当者やメカ設計者にレビューしてもらう事が多いです。
何にせよ期間が短いので同時並行で作業を進める事になるんですが…。


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あら、それだとせっかく既存製品の設計データがあってもうまく活用できませんね。やり取りも大変そうだし、結果をCADに反映する際にもひと手間かかってしまうんじゃないかしら?



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そこなんですよ。各基板の部品構成や接続情報も流動的だし、メカ側もまさに設計中で情報も曖昧。そんな中でわざわざCADデータを起こすのは手戻りも多く面倒なんです。何か良いツールがあれば導入を検討しても良いんですがね。


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そうですね~。では、System Plannerを使ってみたらどうですか?まさにそんな曖昧な段階でも論理/物理/空間のトレードオフ検討  ができるにも関わらず、Design Forceのデータを流用してシステム全体のフロアプランができますよ。


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うん?!ということは構想設計からCADが使えるってことですか?!つまりそれっていつから…?


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えっ、それって・・・ 「今でしょ!」(笑)




■構想設計環境「System Planner」を使ってみる
System Plannerは、スケッチやモックアップで行われている広範囲な構想段階の作業を「簡単に」かつ「各作業の整合を確認しながら」検討できるシステムレベルの構想設計環境です。製品全体を論理(電気的接続)/物理(基板への実装)/空間(筐体への実装)など様々な視点でトレードオフ検討することで全体設計の最適化を早い段階で実現します。

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System Plannerでは構想設計段階で行われる様々な検討を支援する事ができますが、ここでは主にPhysicalVisionary(以降、PV)を活用したシステム全体のPCBフロアプランをご紹介します。


■流用元の回路/基板データを取込む
PVでは流用元の複数のDesign Forceデータを直接読み込む事ができます。部品形状や配置状態をそのまま流用できるため、追加/変更箇所の編集だけを効率的な形で実施できます。また、LogicalVisionary(LV)に対してDesign Gatewayの回路データを取込めば、論理情報や属性情報を考慮した形でのトレードオフ検討を実施できます。

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■筐体情報を元に基板外形を設定する
メカ設計より入手した筐体情報(筐体やバッテリー等)を元に、基板外形や制限領域を設定します。 GeometricalVisionary(GV)では汎用的なメカCADフォーマット(STEP等)を取込んで直接外形を生成することができます。

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■システム全体のPCBフロアプランを実施する
ここでは各々の機能/部品をどの基板に搭載し基板間でどう接続するかを製品レベルで検討する事が重要になりますが、PVでは複数の基板に対し、部品間の信号情報をラッツ表示したり、メカ側から指定された制限領域や位置指定部品の情報を参考に、部品やブロックの配置位置を検討できます。また、GVでは基板を3Dの状態で表示/編集ができるため、メカ側視点での検討精度を上げる事ができ、メカ設計者とのやり取りの改善にも繋がります。

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■部品の配置結果をDesign Force にエクスポートする
System Plannerで検討した結果は、ドラッグ&ドロップするだけの簡単な操作で、Design Forceへ引き継ぐことができます。この後Design Forceではそのまま詳細設計を開始する事もできますが、構想段階であれば自動配線機能を活用した配線見積りを行うことも効果的です。(※)

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※参考:Design Force/DRAGON EXを活用した配線見積り/層数検討について
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いかがでしたか?このような機能を実際に操作体験できるセミナー「CR-8000/Design Forceエクスペリエンス」も随時開催していますので、ご興味ある方は、お気軽にご参加下さい。詳細はこちらからどうぞ。LinkIcon

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★桃子先生プロフィール★
図研のセールスエンジニア
体験型セミナー【CR-8000エクスペリエンス】では講師も務める。
好き:探偵ナイトスクープ
嫌い:あんこ

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