LVDSの設計指示を考慮した配線設計

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

☑設計のお悩み解決します。

教えて!桃子先生☆

2013.11.28


ここは、設計業務でお困りのエンジニアの方々が集まるよろず相談室。中を覗いてみると・・・設計指示書を片手に何やらお困りの様子のお客様がいらっしゃるようですね。一体どうしたのでしょうか?


【case02】
LVDS(Low voltage differential signaling)の設計指示を考慮した配線設計にオススメの機能を教えて下さい。

(基板設計者:吉田さん)

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桃子先生!
LVDS(Low voltage differential signaling)の設計指示を考慮して配線設計したいのですが、何かオススメの機能ありませんかね?


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そうですね。では、差動配線コマンドを使ってみてはいかがでしょうか?差動信号をペア配線できて配線コーナーも同心円弧で描けるので、とっても便利ですよ。
ところで吉田さん、差動インピーダンス90~110オームを希望とのことですが、配線幅や配線間隔の指定はあったのですか?


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いいえ、特になかったです。表層で引き回してください、というだけの指定です。


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そうですか。そういうことでしたら、差動インピーダンスを計算して配線幅や配線間隔をいくつにすればいいのか導き出せる Design Forceの『パラメトリックコンフィグレーションエディター』がおすすめですよ。


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えっ!?最適な配線幅や配線間隔が分かるんですか?
パ・・パラメトミックコンフィゲーションレディターって何ですか!?
もっと詳しく知りたいです!!


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パラメトリックコンフィグレーションエディターですよー。では、こちらの機能からご説明しますね。




■Design Forceの電磁界ソルバーで差動配線の配線仕様を導き出す
パラメトリックコンフィグレーションエディターを使用することで、目標の差動インピーダンスに収まるような配線仕様を導き出すことが可能です。
このツールは、導体の寸法や、基板の各層の厚み、基板材質を電磁界ソルバーで解析し、差動インピーダンスを算出します。これにより、目標の差動インピーダンスとなる配線幅、配線間隔を導き出すことができます。


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■設計ルールを定義する
前項のツールで導き出された配線幅や配線間隔を設計ルールとして登録することで、配線設計に反映することが可能です。
コンストレントブラウザーでは、ネット名による差動ペア自動生成ができ、それら差動ペアに設計ルール(差動配線ルールスタック)を一括で定義できます。また、差動信号と一般信号、電源/グランドとの間のクリアランスを詳細に設定することもできます。


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■差動信号の配線設計をサポートする豊富な機能
Design Forceでは、差動信号の配線設計が容易に行えます。
差動ペアのネットをドラッグすると差動ペア配線が開始でき、ピンからの配線引き出し、引き込みは経路が探索され配線形状が生成されます。これにより、単線を配線する感覚で差動信号を配線することが可能です。

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差動配線中は、差動ペアの配線間隔を保つことができます。差動配線を曲げるときにはコーナーを接円弧や45 °で処理されますので、配線後にコーナー部分を加工する必要が ありません。
また、差動配線モードでは、ジグザグ配線のオプションもあります。
差動ペアを直線で引く際に、基板の誘電体繊維の方向を考慮してジグザグに折り曲げながら引き回すことができます。

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差動配線中は、リアルタイムにペアの配線長が確認できるため、手早く等長に仕上げることができます。

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■配線長レポートを作成する
コンストレントブラウザーでは差動ペアのポジネガ配線長差やピンペア経路情報を一括で 出力しエクセルに貼り付けることが可能ですので、簡単に差動配線レポートが作成できます。


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■リターン経路を検証する
EMCアドバイザを使用することで、差動信号のリターン経路も検証できます。
図では、信号ピンに近いグランドピンのビアを介して、隣接層にリターン電流が流れていることが3D表示で確認できます。また、信号ラインとグランドリターン経路のループ面積や、理想通りの配線設計が出来ているかを示す準拠度など、レポート出力ができます。

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いかがでしたか?このような機能を実際に操作体験できるセミナー「CR-8000/Design Forceエクスペリエンス」も随時開催していますので、ご興味ある方は、お気軽にご参加下さい。詳細はこちらからどうぞ。LinkIcon



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★桃子先生プロフィール★
図研のセールスエンジニア
体験型セミナー【CR-8000エクスペリエンス】では講師も務める。
好き:探偵ナイトスクープ
嫌い:あんこ

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