サッスガ!部品ちゃん

印刷用表示 | テキストサイズ 小 | 中 | 大 |


clubZ_info_renewal.jpg

| HOME | Club-Z劇場 | サッスガ!部品ちゃん | 第2回 | P1 |

更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Club-Z劇場

ときは、2007年4月。プリント基板の設計データを、3Dの中間フォーマットを介して、メカCADに取り込むという運用が初めて適用されたモデルでの3D検証会が、流石電気にて行われていた。これまでと違い、設計変更情報がエレキ・メカの両部門でデータ連携されるため、一様の効果が出そうだと、参加者は手ごたえを感じていた。

検証会が終わろうとしていたときに、会議室に入ってきた技術管理課の狭間(ハザマ・元回路設計者)は、CADの中にある電解コンデンサの3Dモデルから話しかけられるという、超常現象を体験する。どうやら周りの人間にはその声が聞こえていないらしい。その3Dモデルは、必死に何かを訴えているようなのだが・・・。

(狭間) 「(なんなんだ、あのコンデンサ。しゃべりかけてきやがる。あんなデータに変換しちゃったのか、俺?いやいや、そんなことあり得ない。つーか、まだこっち見てるよっ!!)」

drama_20090930_1.JPG


buhin.gif サッスガ!部品ちゃん
【第2話】 ~本当の私を見て!~

2009.09.30

人物相関図
drama_20090930_2.JPG


(細川) 「では、今日の検証会は、これでよろしいでしょうか。早速、設計変更の段取り付けてきます。」
(谷川) 「そうですね。進めてください。」
(田中) 「それでは、私も席に戻って作業を進めます。」

田中は3Dデータを閉じようとした。

『あ、まちなさーい!そこの優等生!』

(狭間) 「あ!田中さん。」

『そうそう、狭間くんからも言って!まだ問題は残っているって!』

(田中) 「はい?」
(狭間) 「あ、いえ・・・先ほどのアセンブリデータの場所、教えてください。あとで見てみたいので・・・」

drama_20090930_3.JPG

(田中) 「じゃあメールしておくわ。」
(狭間) 「ありがとうございます。」

『あーぁー・・・どうなっても知らないわよぉ。。。』

検証会で使用された3Dデータは閉じられ、PCはシャットダウンされた。そして皆、会議室をあとにして、次にやるべきことに取り掛かった。一人、頭を整理できない狭間も、流れに従って自席に戻った。

(狭間) 「(どうしたんだ俺・・・。気のせいなのか・・・?!でもリアルすぎる。。。)」
(大泉) 「おー狭間くん、検証会どうだった?うまくいったか?ん?」

技術管理課の大泉課長は、世話好きで有名だ。疲れたか?と聞いては、よく人の肩を揉む。

(狭間) 「あ、はい。うまくいったようですよ。私が会議室に入ったときには、もう終了していました。」
(大泉) 「そーかー。よかったじゃないか、ん?ん?」
(狭間) 「あ、田中さんからメールだ。(サッスガ田中さん、もうデータの場所を連絡してくれたんだ。とにかくデータを見てみよう。さっきの変な部品、コネクタがどうのって言ってたよな。。。)」

狭間はすぐにCADを起動し、データをオープンした。すると、、、


drama_20090930_4.JPG

(狭間) ぅわ~~っ!!
drama_20090930_5.JPG
(大泉) 「どうした!ん?大丈夫か!ん?ん?急に椅子から落っこちて・・・ん?」
(狭間) 「イテテ・・・、いや大丈夫です、何でもありません課長」
(大泉) 「いや、でも狭間くん・・・君、少し疲れてるのでは?ん?ん??」

突然叫び声をあげた狭間を心配し、席の周りを右往左往する大泉課長。大丈夫だと何度か伝えると、ようやく狭間の席をあとにした。

『いろいろ大変ね~。あ、そうそう、声出さなくても私には狭間っちの声、聞こえてるから。』

(狭間) 「(なんだ、そうだったのか。。。って、君が突然飛び出してきたら、こんな事になったんじゃないか!! そんなことよりも君はいったい、誰なんだ・・・ というか、何なんだ? )」