コラム
グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス
【第18回】作業要素の進捗分析で過去も未来も見える
株式会社RDPi 代表取締役 石橋 良造
2009.01.29
次に、一つひとつの作業要素の完了判断が明確になっている必要があります。改めて作業要素の定義とその条件を図52 に整理しておきます。開発スケジュールにあらわれている開発要素がここに示すような条件を満たしていれば、作業要素の状態は完了したか、していないだけになり、終了予定日までに完了していなければ遅れているということになります。
この条件に合っていないこと、たとえば、ひとつの作業要素の期間が3~4週間にもなっていることや、25%, 50%, 75% のように作業途中の進捗率を主観で入力すること、また、担当者が作業完了といえば完了と判断することなどは、すべて作業要素としては適切ではないということです。
以上のようなことに注意して作業要素を定義すると、作業要素の個数は数百から数千になることが普通です。したがって、手作業で集計するのは現実的ではありません。MS Project などのツールを使えば、作業要素(タスク)に WBS やアクティビティといった属性を持たせることや、完了したタスクの個数や遅れているタスクの個数などをカウントすることは容易になります。
それでは、最後に作業要素メトリクスを使った進捗分析の例を紹介しましょう。