Club-Zコラム第26回

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

コラム


同時にやるシクミづくりとヒトづくり。
やっと気づいた改革の本質

【第26回】イノベーションのための「チーム体制」

株式会社RDPi  代表取締役 石橋 良造

2013.04.18

「チーム」の導入方法

技術要素や開発工程をベースにした体制は「グループ」の考え方です。イノベーションや変化対応が重視される今は、「チーム」を機能させることが求められています。そのための最初のステップとして、「モジュール化体制」と「キャラクター定義」が最適だと考えていますが、検討のためにやっていただくと良いことがあります。

PM や PL の業務の見直しです。

製品開発に関わる多くのマネジャーから、PM や PL などのリーダーが育たないという話をよく聞きます。これは、技術面だけを考えてメンバーへ仕事をアサインし開発を進めるという運営業務を、プロジェクト管理や開発管理と称して PM や PL に課しているのが原因です。

そのため、メンバーの意識はいつまでも担当部分だけで、開発全体や製品全体のことを考えるようにならず、PM や PL は種々雑多な非常に多くの仕事に追われることになっています。その業務を整理して、キャラクターとして独立させるのです。そして、そのキャラクターをメンバーにアサインします。


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図57 開発を通じてキャラクターを演じる ※画像をクリックすると拡大表示します

メンバーには、ある一部分であっても開発全体の運営業務を任せることになります。これは、リーダーとしての視野を持つことにつながり、また、リーダーとしての喜びも味わえることができるでしょう。PM や PL はプロジェクト運営に関する負荷が軽減し、「リーダーなんて雑用に追われているだけですよ」と愚痴をこぼすことも少なくなるでしょう。

まずは、導入のための第一歩として、PM や PL の仕事を洗い出して整理することをお勧めします。整理した業務の一つひとつには、アサインされたときに楽しくなる名前をつけてください。「チーム」のイメージが具体的になるはずです。


前回お伝えしたように、今こそ技術者を育てることに力を入れるべきであり、「チーム」の導入はそのために有効な方策のひとつです。「チーム」を機能させるには、さらにいくつかの工夫や仕組みを考える必要がありますが、まずは、モジュール化体制とキャラクター定義の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

今回も、最後までおつき合いいただきありがとうございました。





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speaker.jpg●執筆者プロフィール  石橋 良造
日本ヒューレット・パッカード (HP) に入社し、R&D 部門で半導体計測システムの開発に従事した後、開発プロセス改革プロジェクトに参加。ここで、HP 全社を巻き込んだ PLM システムの開発や、石川賞を受賞した製品開発の仕組み作りを行い、その経験をもとに 80 社以上に対して開発プロセス革新やプロジェクト管理のコンサルティングを実施。独立して株式会社 RDPi を設立した後は、より良い改革のためには個人の意識改革も必要、と、北京オリンピックで石井慧を金メダルに導いたピークパフォーマンスのコーチ養成コースを修了し、個人のやる気やモチベーションを引き出す技術の開発と、開発プロセスやプロジェクト管理の仕組み改革との融合を続けています。
●株式会社 RDPi :http://www.rdpi.jp/
●メトリクス管理ウェブ : http://www.metrics.jp/
●Email :  ishibashi@rdpi.jp
●ブログ : http://ameblo.jp/iryozo/entrylist.html
●facebook : やる気の技術   仕組みと意識を変える RDPi


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