アンテナのはてな?

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

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設計者にも知ってほしい。マイクロ波の基礎知識

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アンテナのはてな?

マイクロウェーブファクトリー株式会社
2014.10.30

みなさん、こんにちは。マイクロウェーブファクトリーの針谷と申します。
今回はアンテナについて、お話ししたいと思います。


■アンテナとは?

アンテナという言葉を聞いてみなさんは、何を思い浮かべるでしょうか。
昆虫の触覚が思い浮かぶ方より、携帯・スマートフォンのアンテナなどが思い浮かぶ方が多いと思います。アンテナとは、電磁波を放射する、または受信するための装置です。
近年、無線通信が発達しており、一口にアンテナと言っても多種多様なアンテナがあります。

例えば衛星と通信するために使用されているパラボラアンテナや、テレビ受信用として使用されている八木アンテナなどは皆さん目にしたことがあると思います。これらのアンテナは遠距離通信に適しており、エネルギー効率が良い通信ができます。

それぞれ、目的や使用用途によってアンテナの種類が違ってきます。代表的なパラメータとしては、次のようなものがあります。

周波数:
アンテナの送受信に対応する電波の周波数です。
例えば日本のFMラジオ放送であれば78MHz~90MHz帯域です。電波の波長に応じてアンテナの大きさが決まります、一般的に通信に使われる周波数が低い(波長が長い)とアンテナサイズが大きく、周波数が高い(波長が短い)とアンテナサイズが小さくなります。また、アンテナ構造や付随する回路網によってアンテナサイズを小型化しているものもあります。また特定の周波数だけでなく幅広い帯域の周波数の送受信が可能な広帯域アンテナというものもあります。一般的に電波の特長としては、周波数が高いと伝送できる情報量が大きく、直進性が高くなり、逆に、周波数が低いと伝送できる情報量は小さくなりますが、山や建物の陰に回り込む特性があります。

利得:
アンテナが持つ電波を増幅する強さのことです。
この利得が高いほど、電波が遠くまで届きます。単位はデシベル(dB)です。デシベルは、本来ある基準値に対する相対値を表現するものですが、アンテナにおいては主に電力を用い絶対値として使います。例えば1mWを0dBと仮定した場合、アンテナの利得が10dBあるとすると、そのアンテナは1mWの電力を10倍した10mWの電力を放射する性能を持っていることになります。電力においてデジベルは 1倍=0dB 10倍=10dB 100倍=20dBと定義されます。

偏波:
電波の進み方を表します。
偏波には「直線偏波」と「円偏波」があります。「直線偏波」は、一つの平面(偏波面)内を進む電波です。この偏波面を時間と共に進行方向に回転しながら進ませる偏波を「円偏波」と呼びます。
円偏波の特徴は、偏波面がどのように傾いていても同じレベルで受信できることにあり、携帯電話用の電波などはこの円偏波を利用しています。

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指向性:
アンテナから送信(受信)される電波の方向と強度を示すものです。
身近な例では、BS放送を受信するパラボラアンテナがあります。衛星に向けてアンテナ設置の角度調整をすると放送波の感度が高くなることが知られていますが、これもアンテナの指向性が関係しています。


それでは次ページでは、具体的なアンテナを見ていきましょう。