設計者にも知ってほしい。マイクロ波の基礎知識
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マイクロ波電波暗室っていったい?
マイクロウェーブファクトリー株式会社
2014.08.28
こんにちは。前回の連載ではEMCについてお話しましたが、今回からは、私たちの会社名にも入っているマイクロ波についてお話しようと思います。
初回はマイクロ波の電波暗室についてです
■マイクロ波って?
マイクロ波と聞いて、どんな連想をしますか?
あまり馴染みがない言葉ですが、スマートフォン(携帯電話)や無線LAN、Bluetoothなどは、みなさんも日常的に使用されていると思います。これらで使われている電波も、マイクロ波なのです。
これらスマートフォン(携帯電話)や無線LANなどの無線機器から、どのような方向に電波が出ているか、どれだけの出力があるかなどを調べるために、マイクロ波帯の電波暗室を使います。
一般的にEMC用電波暗室とは違い、マイクロ波の電波暗室は、シールドルーム内にピラミッド型や波型の電波吸収体を全面に貼り付け、電波の反射を抑えます。この反射を極力抑えることで、暗室内を理想の自由空間、何も電波がない空間へと、なるべく近づけているわけです(もちろん、暗室の外からの外来電波の影響も抑えられています)。この空間で、製品から純粋に発生された電波の方向(放射パターン)、または出力(Power)などを評価します。
各無線機器メーカは、日夜このような測定を行うことで自社の製品性能を確認し、保証しています。
これら無線機器は、主に、アンテナから電波を放射させる構成が多いため、その性能を確認するためには、アンテナ単体での評価、モジュールに組み込んだ形での評価、製品一体にした後での評価など、それぞれの目的に応じて様々な測定方法があります。
< 電波暗室の構成例 >
このように、その無線機器に応じた様々な評価方法があり一概に決まっていないことから、評価したい項目によっては、使う計測器、測定機器と必要機材が数多く必要となってしまうことがあります。
< 評価測定項目例 >